もっと もっと モルモット オルガ

パディントンでおなじみのマイケル・ボンドさん。ボンドさんは、オルガ・ダ・ポルガという名のモルモットの物語もかきました。訳者がオルガについて少しずつ書いていこうと思っています。

モルモットのことわざ


ある日、オガクズさんがギーコギーコ、バンバンバンとにぎやかな音をたてながらつくったのは、オルガの金網囲いでした。床がないので、しばふにおけば、そこには食べ放題の草のじゅうたんができるのです!


はじめて金網囲いにはいったオルガは、目のまえの草をさっそく食べはじめます。ふとみると、金網の外ではオガクズ家のみんなが、わくわくしながらオルガのようすをみていました。オルガはそれにきづいて、金網囲いをつくってもらったお礼をしないといけないわ、とおもいます。けれども、口のなかはもうシロツメクサでいっぱい……。


そこで、オルガはつごうのいいモルモットのことわざをおもいだします。


「いま口のなかにあるシロツメクサは、しばふにはえているシロツメクサふたくちぶんのねうちがある」


というわけで、「ありがとう、キュイーーーー!」というかわりに、ねうちのあるシロツメクサをもぐもぐしつづけたのでした。


これは、英語のことわざからボンドさんがモルモット用につくりだしたもの。もとのことわざはこれです。


A bird in the hand is worth two in the bush.
(いま手でつかまえている1わの鳥は、しげみのなかにいる2わの鳥とおなじだけのねうちがある)


こんなことばのあそびが、オルガの物語にはたくさんでてきます(もちろんパディントンのお話でも)。シェークスピアのもじりもあり、ときには訳者なかせだったりしますが、それでもやはりそんな部分をみつけると、ボンドさんうまい!と拍手をおくりたくなってしまうのです。