もっと もっと モルモット オルガ

パディントンでおなじみのマイケル・ボンドさん。ボンドさんは、オルガ・ダ・ポルガという名のモルモットの物語もかきました。訳者がオルガについて少しずつ書いていこうと思っています。

ガイフォークスデイ

オルガの物語のなかで、いちばん日本人になじみがうすい行事かもしれません。


イギリスでは、11月5日にあちこちで花火大会がおこなわれ、大きなかがり火をたいて藁などでつくった人形をやきます。これは、400年前に、国会議事堂を爆破して国王を暗殺しようとした犯人たちがつかまったことをいわう行事です。火をつける役で現行犯逮捕となったガイ・フォークスという男の名から、ガイフォークスデイといわれるようになりました。


イギリス人は、ハロウィンではなくガイフォークスデイを盛大にいわうそうです(北アイルランドをのぞく)。
パディントンも『パディントンのクリスマス』(福音館書店)のなかで、ガイフォークスデイをたのしんでいます。


*お詫びと訂正 ガイフォークスデイが「1月」となっていたのは誤植です。数字がひとつたりませんでした。「11月」に訂正しました。もうしわけありませんでした。

サリーのピューマ

オルガが、おびえながらも、おいはらったとじまんする「サリーのピューマ」。イギリスではこのおそろしい動物がいるかどうかが、いまでもなぞのままになっています。


オルガの物語がかかれる10年ほどまえから、サリーという地域でピューマを見たという話がのぼりはじめました。警察や動物園までまきこみ、マスコミがさわぎたてましたが、とられたという写真はいつもピンボケのはっきりしないものでした。


2000年になってからも、目撃情報がサイトにアップされたり、マスコミによせられたりしています。この話、ネス湖のネッシーとにていませんか? イギリス人は、なぞの生き物がよほどすきなようですね。

ハリネズミ

オルガの友だちにハリネズミのファンジオがいます。ファンジオは自然の中でくらしていて、いつも金網のなかにいるオルガに「自由はいいぞ」と、じまんします。


イギリスではハリネズミは身近にいる野生動物でした。なにしろ英語では hedgehog 。hedge は生垣、hog はブタという意味です。庭の生垣のなかによくいる、ブタのような鼻をした動物ということでしょう。そういえば、モルモットは guinea pig。こちらもブタですね。


けれども、物語が書かれてからほぼ50年になるいま、イギリスでは野生のハリネズミがへって、庭で見ることもめったになくなったようです。そして、ハリネズミをペットとしてかう人がでてきました。


『モルモット オルガの物語』の裏表紙です。