もっと もっと モルモット オルガ

パディントンでおなじみのマイケル・ボンドさん。ボンドさんは、オルガ・ダ・ポルガという名のモルモットの物語もかきました。訳者がオルガについて少しずつ書いていこうと思っています。

オルガ、オルガ、いろんな顔

うらうらとした春の陽気になりました。タンポポが、あちこちにぽっぽっと黄色いあかりをともしています。


タンポポといえば、オルガが表紙でしあわせそうにもぐもぐしている絵をおもいだします。いたやさんのえがくオルガは、とてもかわいいモルモット。でも、オルガの「かわいくない」性格もよくあらわれているのですよ。


第一章のタイトルしたのオルガをみてください。なんて生意気そうな顔でしょう。これは、ペットショップの店長にわるぐちをいわれてぷりぷりしているところです。「オルガって、気もちが顔にでるんだから~」といいたくなるくらい、本のあちこちにでてくるオルガは表情ゆたか。


わたしが気にいっているのは、ボリスにうらぎられたオルガが、あらんかぎりの力を目にこめてにらんでいる顔。そのおかげですっかり元気をつかいはたすほどの強烈なにらみかたなのです。それから、みんなにサリーのピューマをおいはらった話をしているときの、攻撃的な顔もひそかにわらえます。


そうそう、トリビアをひとつ。『オルガとボリスとなかまたち』の表紙では、オルガとボリスがシロツメクサをたべています。たくさんのクローバーがかいてありますが、そのなかに、よつばが1まいまぎれていますよ。みつけたらしあわせになれるかも。

郵便受けのかご

ネコ用ドアのほかに、もうひとつ玄関についているもの。それは郵便受けです。日本でもよくある、アパートなどのドアについた細いスリット。日本だと新聞受けといわれることが多いのですが、イギリスでは "mail slot" つまり「郵便受け」となります。もちろん、じっさいに郵便物がここにとどけられます。


日本やアメリカでよく見る箱型のものはイギリスでは少ない気がします。ためしに手元にある、レイモンド・ブリッグズやアラン・アルバーグなどイギリスの典型をえがいていそうな作家の絵本を見てみましたが、箱型はでてきません。


さて、この玄関ドアについた郵便受けで手紙を受けとると、床に手紙がちらばってしまいます。それがいやな家庭では、ドアの内側に「かご」をとりつけるのです。もっとも、床にちらばっても気にしない人も多いようですが。


オルガは、コンテストに出場しました。そのときにつかったお出かけ用ケージは、古い郵便かごを利用してオガクズさんが作ってくれたものです。そしてなんとオルガは入賞して、ケージにリボンでできた青いバラをつけてもらったのです。なんの賞かって? それはちょっと、きかないであげてくださいね。


クリスマスリースの下に郵便受けがみえます
イギリスの某所にて

黒ネコ、ノエルの専用ドア

イギリス人は動物好きでしられています。なかでもイヌやネコはもう家族の一員です(パディントンほどではないのでしょうが)。オルガのいちばんの友だち、黒ネコのノエルも、なかまのなかではいちばんオガクズ一家に近い動物です。


たとえば、玄関にはノエル用のドアがついていて、いつでも出入り自由です。だから、サリーのピューマのうわさがたっても、ノエルは家のなかにとじこめられずにすみました。もっとも、ぬれた足でキッチンに入っていってしかられたこともありますが……。


イギリスの家では玄関やキッチンにネコ用ドアがついているのが珍しくないようです。「catflap england」で検索してみると様子がわかりますよ。ノエル用は、ドアをくりぬいて蝶番でつけただけのシンプルなものですが、最近は、隙間風が入らないよう工夫されているんですね。


さて、じつはノエル用ドア、このシリーズの3巻目では重要な役目をはたします。わたしの訳でご紹介できるときがきますように。(こっそり、つぶやいてみました)