もっと もっと モルモット オルガ

パディントンでおなじみのマイケル・ボンドさん。ボンドさんは、オルガ・ダ・ポルガという名のモルモットの物語もかきました。訳者がオルガについて少しずつ書いていこうと思っています。

郵便受けのかご

ネコ用ドアのほかに、もうひとつ玄関についているもの。それは郵便受けです。日本でもよくある、アパートなどのドアについた細いスリット。日本だと新聞受けといわれることが多いのですが、イギリスでは "mail slot" つまり「郵便受け」となります。もちろん、じっさいに郵便物がここにとどけられます。


日本やアメリカでよく見る箱型のものはイギリスでは少ない気がします。ためしに手元にある、レイモンド・ブリッグズやアラン・アルバーグなどイギリスの典型をえがいていそうな作家の絵本を見てみましたが、箱型はでてきません。


さて、この玄関ドアについた郵便受けで手紙を受けとると、床に手紙がちらばってしまいます。それがいやな家庭では、ドアの内側に「かご」をとりつけるのです。もっとも、床にちらばっても気にしない人も多いようですが。


オルガは、コンテストに出場しました。そのときにつかったお出かけ用ケージは、古い郵便かごを利用してオガクズさんが作ってくれたものです。そしてなんとオルガは入賞して、ケージにリボンでできた青いバラをつけてもらったのです。なんの賞かって? それはちょっと、きかないであげてくださいね。


クリスマスリースの下に郵便受けがみえます
イギリスの某所にて

黒ネコ、ノエルの専用ドア

イギリス人は動物好きでしられています。なかでもイヌやネコはもう家族の一員です(パディントンほどではないのでしょうが)。オルガのいちばんの友だち、黒ネコのノエルも、なかまのなかではいちばんオガクズ一家に近い動物です。


たとえば、玄関にはノエル用のドアがついていて、いつでも出入り自由です。だから、サリーのピューマのうわさがたっても、ノエルは家のなかにとじこめられずにすみました。もっとも、ぬれた足でキッチンに入っていってしかられたこともありますが……。


イギリスの家では玄関やキッチンにネコ用ドアがついているのが珍しくないようです。「catflap england」で検索してみると様子がわかりますよ。ノエル用は、ドアをくりぬいて蝶番でつけただけのシンプルなものですが、最近は、隙間風が入らないよう工夫されているんですね。


さて、じつはノエル用ドア、このシリーズの3巻目では重要な役目をはたします。わたしの訳でご紹介できるときがきますように。(こっそり、つぶやいてみました)

小屋ぐらしの主人公

飼いネコだけれど、ネコゆえに近所を歩きまわり、ときには外泊(?)するノエルや、もともと野にくらすファンジオとグレアム。それにくらべて主人公オルガは、ほとんどの時間を小屋か金網囲いのなかですごしています。


一時は外にあこがれて冒険にでたこともありますが、オルガは家がいちばんすきなようです。四季おりおりの景色がたのしめるし、なによりなかまたちがやってきて、いろんなことをおしえてくれますからね。オルガの人徳ならぬ「モルモット徳」といったところでしょうか。


じつは、ボンドさんは、オルガはパディントンほどいい主人公ではないといっていました。理由は自由に動きまわれないから。冒険するには、どうしてもネコやカメといったなかまが必要になるのです。でも、おかげですてきななかまたちが登場することになったのですから、ぎゃくにいい主人公といえるのでは?


それにしても、主人公がほとんど動かないのに、こんなに楽しいお話がくりひろげられるのは、やはりオルガの想像力があるからでしょう。どこにいようと、頭のなかは小さな宇宙。無限の世界がひろがっているのです。