もっと もっと モルモット オルガ

パディントンでおなじみのマイケル・ボンドさん。ボンドさんは、オルガ・ダ・ポルガという名のモルモットの物語もかきました。訳者がオルガについて少しずつ書いていこうと思っています。

小屋ぐらしの主人公

飼いネコだけれど、ネコゆえに近所を歩きまわり、ときには外泊(?)するノエルや、もともと野にくらすファンジオとグレアム。それにくらべて主人公オルガは、ほとんどの時間を小屋か金網囲いのなかですごしています。


一時は外にあこがれて冒険にでたこともありますが、オルガは家がいちばんすきなようです。四季おりおりの景色がたのしめるし、なによりなかまたちがやってきて、いろんなことをおしえてくれますからね。オルガの人徳ならぬ「モルモット徳」といったところでしょうか。


じつは、ボンドさんは、オルガはパディントンほどいい主人公ではないといっていました。理由は自由に動きまわれないから。冒険するには、どうしてもネコやカメといったなかまが必要になるのです。でも、おかげですてきななかまたちが登場することになったのですから、ぎゃくにいい主人公といえるのでは?


それにしても、主人公がほとんど動かないのに、こんなに楽しいお話がくりひろげられるのは、やはりオルガの想像力があるからでしょう。どこにいようと、頭のなかは小さな宇宙。無限の世界がひろがっているのです。