もっと もっと モルモット オルガ

パディントンでおなじみのマイケル・ボンドさん。ボンドさんは、オルガ・ダ・ポルガという名のモルモットの物語もかきました。訳者がオルガについて少しずつ書いていこうと思っています。

オルガの原画展と工作イベント


オルガの原画展と工作教室があります!


3月27日(水)~4月8日(月) @青猫書房
『モルモット オルガの物語』『オルガとボリスとなかまたち』原画展
マイケル・ボンド作/いたや さとし絵/おおつか のりこ訳/PHP研究所


3月30日(土) 14:00~15:00 @青猫書房
工作教室 オルガにおうちをつくってあげよう 先着20名さま 無料
青猫書房さんにお申し込みください。


工作教室のまえに、訳者による朗読もあります。
ぜひ、いらしてくださいね。


▼木の本体にあしをつけて、クレヨンで絵をかきます。写真はスタッフの試作品(わたしの作品はどれでしょう)。

奥にちらりとみえるのは、いたやさんがつくったオルガの小屋のミニチュア、入り口の戸がちゃんとひらきます。

モルモットのことわざ


ある日、オガクズさんがギーコギーコ、バンバンバンとにぎやかな音をたてながらつくったのは、オルガの金網囲いでした。床がないので、しばふにおけば、そこには食べ放題の草のじゅうたんができるのです!


はじめて金網囲いにはいったオルガは、目のまえの草をさっそく食べはじめます。ふとみると、金網の外ではオガクズ家のみんなが、わくわくしながらオルガのようすをみていました。オルガはそれにきづいて、金網囲いをつくってもらったお礼をしないといけないわ、とおもいます。けれども、口のなかはもうシロツメクサでいっぱい……。


そこで、オルガはつごうのいいモルモットのことわざをおもいだします。


「いま口のなかにあるシロツメクサは、しばふにはえているシロツメクサふたくちぶんのねうちがある」


というわけで、「ありがとう、キュイーーーー!」というかわりに、ねうちのあるシロツメクサをもぐもぐしつづけたのでした。


これは、英語のことわざからボンドさんがモルモット用につくりだしたもの。もとのことわざはこれです。


A bird in the hand is worth two in the bush.
(いま手でつかまえている1わの鳥は、しげみのなかにいる2わの鳥とおなじだけのねうちがある)


こんなことばのあそびが、オルガの物語にはたくさんでてきます(もちろんパディントンのお話でも)。シェークスピアのもじりもあり、ときには訳者なかせだったりしますが、それでもやはりそんな部分をみつけると、ボンドさんうまい!と拍手をおくりたくなってしまうのです。

二十本の歯でがぶり

モルモットは、ウサギやリスとおなじげっ歯類。歯に特徴のある種類です。なかでもモルモットやウサギは、前歯も奥歯も一生のびつづけるそうです(ハムスターは前歯だけがのびます)。前歯は草をかみきるための歯で上下で四本、奥歯は草をすりつぶすためで十六本あります。


「さいしょにガツンといく」がモットーのオルガは、ノエル(のしっぽ)とのはじめてのであいで自慢の歯をつかいました。こんなふうに……



 じっとようすをうかがいました。へんな物体が、きゅうにむきをかえるひょうしに、その先っぽはくるんとまるまって、金網のあなからつきだしてきます。オルガはそのしゅんかんをねらって、とびつきました。
 ニ十本の歯でがぶり……



と、お話はつづきます。長年モルモットをかっていたボンドさんは、歯の数もばっちりしっていたのですね。


のびつづける歯のために、オルガの小屋にはトネリコの枝がおいてあります。枝でのびた歯をけずりながら、きもちよくとがらせておくのです。のびっぱなしになると、口のなかのあちこちに歯がささったり、うまくかみあわせができなくなったりして、食べることがむずかしくなります。食べられなくなるなんて、オルガにとっては一大事です。トネリコの枝は、自分の名前をオガクズにかくためだけでなく、ほかにもだいじな使い道があったのです。


最近は、ほろりとくずれるペレットを食べるモルモットも多く、獣医さんが草をたべましょうとすすめているようです。でも、金網囲いのなかで、もりもり草をたべているオルガには、そんな心配はなさそうですね。